こんにちは雪駄です。
突然ですが、子供に「インフレとデフレの違い」や「円高と円安の違い」について聞かれたら何と答えますか?
私自身、ずっと曖昧な理解でこんがらがっていました。
どちらも「価値が変わること」によって起こる現象なのですが、これからの激動の時代を生きていくにはこの2つは必ず押さえておく必要があります。
なぜか?
物やお金の価値は簡単に変わり、変わることによって損をする可能性があるからです。
老後2,000万円必要問題などで、コツコツと貯金を始めた人も多いかと思います。
また今回のコロナ禍で、突然無収入になっても困らないように、数ヶ月分の現金を蓄えておく必要性をかなり感じ、ある程度の貯金は必要だと思っています。
でも、あなたが頑張ってコツコツ貯めた貯金の価値が半分になったらどうしますか?
最近で価値が変わった身近な例は、コロナによってマスクが品薄になり、高額転売されていた事例がありますよね。
これはマスクを買う人が殺到して生産が追いつかず、簡単に手に入らなくなったことで、高額でも売れるようになったのです。(現在は出回るようになり、価格は落ち着きましたが)
このように、今まで価値があると思っていたものが急に価値がなくなったり、逆に価値が低いと思っていたものが価値を高めたりするのです。
これからはコロナにより、世界的に経済恐慌となる可能性が高いです。
またITの進化は目覚ましく、これまでのビジネスのやり方が通用しなくなるなど、私たちは激変の時代を生きています。
このような激変のときは、色々なものの価値が根本から変わりやすい時だと考えます。
お金も同じです。
今持っている1,000円札の価値はずっと変わらないと思いますか?
お金の価値も簡単に変わります。
現実として、昭和40年から現在までに、日本円の価値は約1/4までに下がっています。
(日本銀行のホームページより)
昭和40年で10,000円する物は、現在では40,000円出さないと買えないことになります。
価値が下がり続けているお金を「貯金」していたらどうなるでしょうか?
頑張って1,000万円を貯めて家を買おうとしても、当時1,000万円で買えていた家が2,000万円に値上がりしていたら、買えないどころか損をしていますよね。
そもそも10,000円札が10,000円の価値があるって誰が決めたのでしょうか?
考えてみてください。
お札自体は「ただの紙切れ」ですよね?
お金の価値は「使うみんなが10,000円の価値があると思っている」から価値があるのです。
背景には「国が発行している」という信頼があるのですが、ひとたび国の信頼が落ちると、その国のお金の価値も下がります。
よって、正しい知識を持って、価値の変動リスクに備えましょう。
変動リスクを知っていれば、損をするどころか資産を増やせるチャンスでもあります。
今回は「全てのモノの価値は変わる」をテーマにお話しさせて頂きます。
・価値とは「そのモノがどのくらい役に立つか」を示す度合い
・価値が変わるのは「お金と物の関係(インフレデフレ)」「お金とお金の関係(円高円安)」の2つがある
・日本は今後インフレ・円安へ向かう可能性大なので、不動産や株、海外通貨など日本円以外の資産も分散して持とう
お金の価値が変わるとは?(インフレ・円安は価値変動で起こる)
そもそも「価値」とは何でしょうか?
辞書的に言うと、価値とは「そのモノがどのくらい役に立つかの度合い」です。
この「役に立つか」は人によって違うかと思いますが、モノでいうと、より多くの人に役に立つ物なら沢山売れますし、めちゃめちゃ役に立つものであれば高額でも売れるということです。
逆に役に立たなければ売れません。
価値があるかないか、高いか低いかは「需要と供給のバランス」で決まります。
そして一方の価値が上がれば、一方の価値は下がると言う関係になっています。
※もしそのモノを「交換」した場合に、モノなら「どんなものと交換できるか」、お金なら「いくらで交換できるか」というような相対的な関係で価値が決まるからです。
さらに価値の変動はモノだけでなく、「お金とお金」の関係にも発生します。
「円高ドル安」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、日本円の価値は他の国の通貨と相対的な関係にあり、他の国の通貨に対して日本円の価値が日々上がったり下がったりしています。
よって、価値の変動には「お金と物」や「お金とお金」の2つの関係があります。
では、それぞれの価値変動について見ていきましょう。
・価値とは「そのモノがどのくらい役に立つか」を示す度合い
・価値の変動は「需要と供給のバランス」などで決まる
・価値が変わるのは「お金と物の関係」「お金とお金の関係」の2つがある
【インフレ・デフレとは】「お金」と「物」の価値変動で起こる
まずはお金と物の価値変動の関係ですが、
「物の値段(物価)が上がる(下がる)=お金の価値は下がる(上がる)」という関係です。
例えば、今まで100円で買えていたジュースが200円に値上げしたとします。
今までは100円出せば買えていたのに、2倍の200円を出さないと買えなくなったと言うことは、物の価値は2倍になり、お金の価値は1/2になったということですよね。
逆もまたしかりです。
物とお金の価値が変わるきっかけは、「需要と供給のバランス」「製造コストの上昇」などで決まります。
モノの値段は「需要」と「供給」のバランスで決まる
あるモノを欲しい側を「需要」、作る側を「供給」といいます。
欲しい人が増えても作る量が変わらなければ、手に入りづらくなるので希少価値となり、値段は上がります。
先ほどのマスクの例もそうですが、例えば150円のペットボトルの水が、コンビニも自動販売機もない砂漠で1,000円でも売れるのは、供給がない(簡単に手に入らない)から価値が上がり、値段が上がるのです。
水が1,000円でも、砂漠の中にいる人にとっては価値のあるものだからです。
逆にどこでも簡単に手に入る物は、供給側(作り手)が価格競争となり、値段は下がります。
値段を下げないと売れないからです。
インフレとデフレとは
「物の値段(物価)が上がる=お金の価値が下がる」ことをインフレーション(インフレ)といいます。
その逆で「物価が下がる=お金の価値が上がる」ことをデフレーション(デフレ)といいます。
インフレの時にはお金の価値が下がるので、現金を持っていると損をし、物を持っている方が有利になります。
よって、お金を貯めこんでも価値が下がってしまうので、現金の比率を下げて不動産や金などの「物」を持っておくといいです。
不動産がインフレ対策になる理由はこちらの記事をご覧ください。
逆にデフレの時はお金の価値が上がるので、現金を多く持っている方が有利となります。
日本は今インフレなの?デフレなの?
「じゃあ今はインフレ・デフレのどちらに備えればいいの?」ということですが、
近年の消費者物価指数を見るとややインフレ傾向にあります。
特に食料品などの生活必需品は値上がりが続いています。
「スーパーで買い物する時の値段は高くなっている」という実感はありませんか?
そして政府や日本銀行はインフレに誘導する政策を取っており、今後はインフレが進むものと予測します。
よって、当面はインフレに備えておくべきだと考えます。
ただ、未来のことを確実に予測することはできませんので、インフレ・デフレどちらの場合でも資産が減らないように、バランスよく備えておくことが重要です。
現金100%または不動産100%など、どちらかに傾いた持ち方はリスクが高すぎるので、バランスよく保有しましょう。
※不動産のインフレ対策・今後日本がインフレに向かう理由はこちらの記事を見てください。
インフレでは借金が有利!?
インフレは借金をしている人に有利になります。
インフレになると、「お金の価値が下がる=借金の価値も下がる」ことになるからです。
1,000万円で住宅ローンを借りていたとして、インフレでお金の価値が半分になったとすると、ローンの価値も半分の500万円、利息の価値も半分になり、実質負担は軽くなるのです。(インフレになっても1,000万円という額面は変わらないため)
物価が倍になると、モノが倍の値段で売れるので、企業の利益は増えます。
企業の利益が増えれば給料も上がり、皆さんの使えるお金も増えます。
でも借金の金額は変わらないので、有利になるということです。
さらにローンで不動産を買っていれば、物価上昇により不動産の値段も上がり、買った時よりも高く売れることになります。
万が一ローンを返済できなくなっても、値上がりした不動産を売却することでローンを返せますし、更に利益を得られるのです。
インフレに誘導するカンタンな方法
では、インフレはどうやって誘導するのでしょうか?
簡単な方法は、国がお金を刷りまくることです。
なぜなら、
①物の量は変わらないのに、お金の量が増える(=お金の供給が増える)
②(需要と供給のバランスで)お金の価値は下がり、物の価値が上がる
からです。
日本の景気は低迷しており、国は景気を回復させようと「異次元の金融緩和」というお金を市場に大量に流通させる政策をしています。(物価上昇率2%を目標としている)
また、国は1,000兆円を超えるも借金をしています。
お金を刷りまくることで、借金の価値も下がるので、是非ともインフレに誘導したいところだと思います。
・インフレとデフレは「需要と供給のバランス」で決まる
・インフレ
「物価↑=お金の価値↓」
貯金は損、不動産・金などの物が有利、借金も有利・デフレ
「物価↓=お金の価値↑」
貯金は得、不動産・金などの物は不利・どちらでも損をしないためには、資産はバランスよく保有することが大事
・日本は今後インフレ方向へ向かう可能性大
・インフレに誘導する仕組み
国がお金を刷りまくる⇨物の数は変わらないのにお金の量が増える⇨お金の価値が下がり、物の価値が上がる
【円高・円安とは】「お金」と「お金」の価値変動で起こる
次は円高と円安です。
これわかりづらいですよね!
恥ずかしながらちょっと前まで、
「1ドル100円と1ドル200円ではどちらが円高ですか?」と聞かれて、
「200円でしょ!」
と思っていました。
これ逆で、100円の方が円高です。
ここでいう「円高」とは、日本円の「価値」がドルよりも高いことを表しています。
・1ドル200円=1ドルと交換するのに200円を払わなければならない
⇨100円で買える方が「円の価値が高い」といえる(=円高)
このように、円高・円安に代表されるように、「お金とお金」の関係でも価値は変わるのです。
日本円の価値は他の国の通貨と相対的な関係にあり、他の国の通貨に対して日本円の価値が常に上がったり下がったりしています。
日本円と米ドルの関係で言えば、一方が円高であれば一方がドル安で、円安であればドル高になります。(「円高ドル高」というのはありません)
ハワイで100ドルの買い物をするのに、1ドル100円であれば10,000円ですが、1ドル200円であれば20,000円が必要になるのです。
円高傾向なら日本円、円安傾向なら海外紙幣を持とう
円高になる傾向の時(円の価値が高い)は日本円を持っていた方が有利ですが、円安になる傾向の時は海外のお金を持っていた方が有利になります。
円安傾向の例だと、
・1ドル100円の時に、100ドルを10,000円(100円×100枚)で交換しておく
・1ドル200円の円安になると、持っている100ドルは20,000円(100ドル×200円)の価値になる
・日本円に戻すと10,000円の利益(20,000円ー10,000円)になる
今後、日本は円安傾向になりそう
通貨の価値は、国の力(経済状況など)や信頼度により変動します。
国の力や信頼度が下がれば、その国の通貨の価値も下がる傾向にあります。
そして、日本は今後「円安傾向」になると言われています。
なぜなら「人口減少による経済の衰退」により、国の経済力が弱まっていくことがほぼ確実からです。
人口と経済規模は比例しています。
なのです。
高度経済成長期に日本経済が急成長した理由は、「人口がどんどん増えていった」ことが大きいです。
これからはモノを買ってくれる消費者がどんどん減っていき、さらに少子高齢化によってモノを作る若い労働者も減っていくことで、市場が縮小していくことは見えています。
市場縮小への対策として「移民を沢山受け入れる」「生産性を抜本的に上げる」などの方法はありますが、日本人の気質としては難しいように思えます。
市場が縮小する中で、本当に役に立つモノだけが選ばれ、生き残る時代となるでしょう。
そして、人口がどんどん増えている新興国の通貨の価値が上がっていくものと思われます。
円安に備えて対策をする必要あり
これからは「円安」に備える必要がありそうです。
円安に備えるには「外貨」を持ちましょう。
メジャーな「米ドル」や「ユーロ」「スイスフラン」などが良いと思います。
特に米ドルは世界の基軸通貨(国際間の決済に広く使われる通貨)ですので、今のところ信頼性は高く、保有しておく価値はあります。
・円高円安とは、日本円の「価値」が高いか低いかをあらわす
・円高傾向の時は日本円を持っていた方が有利(円安傾向の時は海外通貨が有利)
・通貨の価値は、その国の力や信頼度で変わる
・日本は今後円安傾向になる可能性が高い
・円安に備えるために「海外通貨」を持とう
【インフレ・円安対策】分散保有で資産防衛を
まとめになりますが、「お金や物の価値は変わる」というお話をしました。
そして「日本円だけで貯金する」ことがリスクになることも、お気づき頂けたかと思います。
今回のコロナのように、ある程度の生活費としての現金は備えておくべきですが、現金100%で備えるのは危険です。
現在のインフレ・円安下では、日本円のみでなく、株や不動産、外貨など分散して持っておくことが資産を守るためには必要だと思います。
全てのモノの価値は変わるので、どれが上がっても下がっても大きな影響が出ないように、分散しておくべきです。
さらに損をしたくない人は、価値が下がりづらいものを予想して、より多く持っておくことが資産を守ることにつながります。
・日本円(貯金・現金・財形貯蓄)
・外国株
・海外通貨(米ドル・ユーロ・スイスフランなど)
・仮想通貨
・不動産(現物資産)
・金やダイヤモンドなど(現物資産)
・アンティークコインやカラーストーン(現物資産)
ということで、みなさんが資産を増やし、少しでも豊かになれますよう、お祈りしています。
一緒にコツコツ頑張りましょう!
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