経理に配属されたけど、簿記以外にどんなスキルが必要?
仕事がデキる人ってどんなマインドなんだろう。
早く昇進して給料を上げたいんだけど、どうしたらいいの?
今回は、経理でマネジメント経験のある私が、15年間社内を観察し、仕事がデキて上司や同僚に評価されている人の共通点をまとめました。
仕事で評価されている人は「上司や周囲と信頼関係が築けている人」が多いです。
信頼関係は一朝一夕にできるものではなく、日頃の仕事に対する姿勢や態度で、少しづつ積み上がっていきます。
まずは信頼されるための仕事をして、コツコツと信頼残高を増やしていきましょう!
今回は「社内で信頼関係を築くための仕事術」について、10箇条をお伝えします。
どれか一つ実践するだけでも効果があると思いますので、経理配属となった方、ぜひ参考にしてみてください。
早く昇進して年収を上げたい方にも役立つ内容となっています。
あなたの給料(の元となる評価)を決めるのは上司です。
よって、会社では上司に評価されるための立ち回りや実力も必要となってきます。
もちろん上司の評価基準は、会社や上司によってまちまちなので、一概にこの方法が絶対有効とはいいきれませんが、一般的に使える仕事術に厳選しました。
この仕事術を身につけることで、昇進ができなくても、ビジネスマンとしてスキルアップが可能。
スキルアップして社内で信頼を獲得することで、仕事がとてもやりやすくなりますし、自分の意見も通りやすくなるので、仕事が楽しくなります。
また、ビジネスマンとしてのレベルが上がれば、独立や副業をすることになってもアドバンテージになるので、昇進を目指さない人でも参考になります。
気になった方は、ぜひ最後までお読みください。
社内で信頼関係を築くためのスキルアップ術
まずは個人でできるスキルアップ編から。
経理マンに限らず、ビジネスマンとしてこのスキルがあると仕事がやりやすくなります。
スキルは勉強することで身につけることが可能。
オススメの教材も紹介しますので、ぜひ実践してみてください。
①論理的思考力(ロジカルシンキング)を身につける
ビジネスマンにとって、論理的思考力はとても重要です。
あなたの職場にも「ものごとを論理的に理路整然と話せる人」いますよね?
だいたい仕事のデキる人って、話し方がロジカルじゃないですか?
経理マンであれば、数字について説明することが多いので、なおさら必要ですよね。
「ロジカルシンキングができる人って、生まれもった才能でしょ?」
いいえ、ロジカルシンキングは鍛えることで身につきます。
私も元々感覚的に話すタイプだったので、アドリブで論理的に話したり、論点をうまく伝えることに苦手意識を持っていました。
でも本やビジネススクールで論理的思考力を鍛えたことで、説明の仕方や文章の書き方が格段に上達しました。
さらにはコミュニケーション能力も上がったと実感しています。
これからの経理部門に求められる役割は、単に伝票の入力や照査・決算書の作成・管理資料の作成のみではありません。
システムからアウトプットされる数字を
- どう見るか?
- その数字の特徴は何か?
- その特徴からどういえるか?どうするべきか?
など、客観的数値に基づいて、今会社がどういう状態にあるのか事実を的確に経営層に伝え、経営について意見具申することが求められると考えています。
その為には、客観的な視点でモノを考え、論点を明確に設定し、説得力のある枠組みで相手に伝えたいと考えているので、ロジカルシンキングがより重要になってくると思います。
私はグロービス経営大学院でロジカルシンキング(クリティカルシンキング)を鍛えました。
体験談はこちら👇
②ライティングスキルを身につける
もうひとつ、すべてのビジネスマンに必須のスキルが「ライティングスキル(文章力)」です。
ライティングスキルをつけると、
- 伝わりやすい社内文書(説明資料や議事録・メール)が作れるようになる
- 読者のことを考えた見やすい資料(PPTなど)が作れるようになる
- 適確な報連相ができるようになる
特に経理は社内文書やメールを作成する機会が多いと思うので、ライティングスキルの習得は、仕事のクオリティを爆上げしてくれます。
わかりにくい文章だったり、読みたくなくなるような長い文章を書いている人って、仕事ができない風に見えませんか?
わかりやすい簡潔な文章であれば、デキるビジネスマンと思われますし、なによりも相手に伝わりやすいので、コミュニケーションもスムーズになります。
身につけておいて損はありません。
ビジネスの根幹は「文章力」です。仕事のできる奴に文章がヘタクソな奴はいません。
誰でも書ける日本語が、誰よりも差がつくスキルです。
営業もマーケティングもなんならプログラミングにおいても、文章こそ全てです。ライティングisキングです
— やまもとりゅうけん|人生逃げ切りサロン (@ryukke) October 29, 2022
私が実践したライティングスキルを爆上げする勉強方法はこちら👇
③資料は誰がみても一目でわかる目線でつくる
スキル編の最後は、資料づくりのポイントです。
誰がみてもわかりやすい「一目でわかる」資料づくりを心がけましょう。
経理であれば、社内資料を作って他部門に説明することも多いかと思います。
資料づくりの目的は「相手に伝わり、相手に動いてもらうこと」です。
資料を見せる相手(=他部門)は、会計知識にウトイ素人です。
それなのに、難しい会計用語などを多用していては、相手に伝わらないどころか「結局なにをしたらいいの?」になりかねません。
よって、資料はなるべくわかりやすく、見やすい見た目になるよう工夫しましょう。
自分だけがわかる資料では意味がありません。
「あとから誰がみても言いたいことがわかる資料」を作れる人が優秀な経理マンだと思います。
前章のロジカルシンキングやライティングスキルを身につけると、それが容易に作れるようになります。
社内で信頼関係を築くためのコミュニケーション術
次は職場でのコミュニケーション編です。
同僚や他部門から信頼を得るための「コミュニケーションのとり方」についてお伝えします。
④相手の意見を聞いた上で自分の意見を伝える
経理だと上司や他部門に説明したり説得することも多いかと思います。
ときには上司や他部門と意見が合わないこともあるでしょう。
そんな時に「自分が正しい」と言い張って理づめで説明しても、相手が受け入れてくれるとは限りません。
相手も「自分が正しい」と思っているわけで、「間違っている」と言われればいい気はしません。
人は理屈よりも感情で動くのです。
相手にわかりやすく説明することはもちろんですが、まずは相手の話を聞くことからはじめましょう。
人は誰でも自分のことが一番大事です。
だから自分の意見を聞いて欲しいのです。
自分の話を聞いてもらって、はじめて相手の話を聞く余裕ができます。
なので相手の話を否定せずに、まずは受け入れてみましょう。
そのあとに「自分はこう思う」と話してみて、妥協点を探ってみましょう。
正論を突きつけるよりも建設的な議論ができますよ。
⑤他部門からの問い合わせは「即反応」する
経理は他部門からの問い合わせも多いかと思います。
他部門からの相談や質問に対して、迅速に応えることで、信頼関係を構築していきます。
経理は他部門にお願いをすることが多い部署ですが、他部門との信頼関係を築いておいた方が圧倒的にお願いしやすくなると思います。
※「上司に言ってもらう=ポジションパワー」を使う手もありますが、これは最終手段にとっておきたいところ。
「迅速に応える」と書きましたが、必ずしも「即回答」をする必要はありません。
「即回答」ではなく「即レス」をすることが大事です。
メールやチャットであれば「質問を承りました」とすぐに返すこと。
すぐに回答できる質問であればすぐに回答し、すぐにわからなければ「調べていつまでに回答する」旨を返信するのです。
質問した側としては、回答があるまでなにも反応がなければ「ちゃんとメールを見てくれているのかな?」「読み飛ばされていないかな?」と不安な気持ちになります。
相手を不安にさせないために「即反応」することが、信頼残高を増やす秘けつになります。
⑥間違ったらすぐに謝り、訂正する
仕事をしていれば誰でもミスをすることがあるでしょう。
ミスがない人間なんていません。
重要なのは、ミスをした後にどう行動するかです。
間違いは素直に認めて謝り、すぐに訂正すること。
間違いを認める素直さと迅速な訂正で、「この人は信頼できる人だ」と思われます。
誰もあなたの間違った言い訳など聞きたくありません。
大切なのは「その後どうするか」なので、切り替えていきましょう!
⑦事務の方の信頼を得る
社内で重要なカギを握るのが一般職の事務の方々。
われわれの面倒な事務処理などを一手に引き受けてくださっています。
一般職の方々には常に感謝の気持ちをもち、それを伝えましょう。
上司や先輩の立場であれば、日頃の悩みを聞いて、自分の力で改善できそうなことであれば、動きましょう。(ときには上司に相談して改善できるように手伝いましょう)
一般職の方々に気持ちよく仕事をしていただくことで、職場の空気はよくなります。
たまにはお菓子を差し入れたり、ときにはみんなでランチに行ったりもしましたが、そういったコミュニケーションもとても大事だと実感しました。
仕事がとてもやりやすくなりますよ。
部内で業務改善(やめる仕事など)をしようと思ったとき、抵抗が大きかったのが一般職の方々でした。
彼女らからしたら、今までやっていたことを否定されるのですから。
でも、日頃から信頼関係を築いており、同じ目線になって話し合うことができたので、最後は理解していただけました。
やはり仕事はすべて信頼関係。
ウワサ話も好きなので、悪いウワサは社内に一気に広がります。
ということで、一般事務の方をないがしろにせず、いい噂を広めてもらえるように行動しましょう。
社内で信頼関係を築くためのキャリアパス・マインド術
最後はキャリアパスに必要なマインド編です。
上司の信頼・評価を得るために持つべきマインドについてお伝えします。
⑧上司の目線(視点)で仕事を組み立てる
まずはこれ。
自分より一つ上の立場の人の目線で仕事をすること。
「上司だったら、この仕事についてどんな目線で見ているか」を考えてみましょう。
われわれ経理担当者は、実務者として目の前の仕事(作業)に向き合っています。
- いかに正しく伝票を処理するか
- いかに早く資料を作るか
- 納期までに仕事を終わらせられるか
などを意識していますよね?
でも監督職や管理職である上司の意識は違います。
- 自分のイメージ通りの資料を作ってくれるか
- 納期までに資料が完成するか
- できた資料を会議でどう説明するか
など、当然ですがわれわれの作業の後工程を考えています。
経理責任者は、部下の仕事の進捗管理と他部門交渉などがメインです。
まずはその役割を理解することからはじめましょう。
一番大事なのは、報連相は自分からすること。
「あの資料どうなった?」
と聞かれる前に進捗を報告しましょう。
「今やってるよ!わかってるよ!」
と思う気持ちもわかりますが、上司の目線に立ってみると、進捗がわからないとめちゃくちゃ不安です。
最終的に責任を取るのは自分(上司)ですから。
もし進捗が遅れていることがわかれば、手伝ったり納期変更の交渉をしたりできますが、進捗がわからなければその舵取りができません。
自分が上司になればわかります。
よって、部下であるわれわれが普段から上司の目線で仕事を組み立て、先回りし、上司に安心してもらうことで、上司の信頼を獲得することができます。
さらに、今のコロナ禍においては、上司が突然こなくなる事態もありえます。
上司が来なくなれば、代わりにあなたが仕事を任されることもあると思います。
急にくる事態に備えて、普段から上司の視点(視座)でモノゴトを考えることが大事です。
普段から「自分が上司だったらこうする、こう説明する」という風に考えるクセをつけておけば、いざとなった時に難なく行動できますし、昇進してもその職位に相応しい仕事が自然とできるのではないかと思います。
課長に昇進してから課長の勉強を始めるのではなく、常に課長の視点でものを考えておくことで、その言動などが少しずつ課長に相応しいと周りから思われるようになり、自然と昇進するのが理想だということです。
これは私が習っている合気道の師範もおっしゃっていました。
上位の者の横で勉強する(学び取る)機会はたくさんあるのだから、ぼーっと言われたことだけをやるのではなく、何事も常に上を目指して自分を(視座を)高めていく姿勢が大事であると。
視座を高めていきましょう!
⑨緊急じゃないけど重要な仕事に優先して取り組む
経理の仕事は多々あり、優先順位をつけて仕事をすることは重要かと思います。
どの仕事の優先順位を高くしてやるかどうかで、その人の仕事の視座の高さがわかります。
仕事は以下の4つに分けられます。
- 緊急で重要な仕事
- 緊急だけど重要じゃない仕事
- 緊急じゃないけど重要な仕事
- 緊急じゃなくて重要でもない仕事
重要性「低」 | 重要性「高」 | |
緊急性「低」 | 4.やめる仕事。 | 3.優先して取り組む。 |
緊急性「高」 | 2.対応はするも、次に起こらないように改善する。 | 1.すぐに対応が必要。 |
「7つの習慣」というベストセラーのビジネス本に書かれていたのですが、仕事で成果を出すには「3の緊急じゃないけど重要な仕事」にいかに取り組めるかが大事です。
1は期限が迫っている資料づくりや、顧客からのクレーム対応など、すぐにやらなければ重大なことになりかねない仕事です。
2は期限はあるけど、あまり意味のない(成果の高くない)仕事。
3は期限はないけど、長い目で見て大事な仕事です(業務改善やプラスアルファの仕事)
4は上司との雑談や、無駄な会議への出席など。
目先の仕事に追われている人は、1と2だけをずっとやっているイメージです。
3はやらなくても会社は回るけど、よりよく改善・進歩していくためにやるべき仕事(=会社の付加価値を上げる仕事)なので、やればやるほど評価されます。
経理であれば、ガチガチに決まっている制度会計の仕事をこなすだけではなく、業績向上(損益改善)のために管理資料を作ったり、部内の残業を減らすために業務改善したりすることが、会社の付加価値を高める仕事になるかと思います。
「目先の仕事に忙殺されて、そんな時間ないよ」
という方がほとんどかと思いますが、時間はつくるもの。
重要な仕事の一つとして、優先順位を上げて時間を作らないことには始まりません。
将来的に自分の仕事や職場がよくなると思って、なにかひとつでもやってみることをオススメします。
⑩感情的にならずに冷静な態度でいる
これは人によっては難しいかもしれませんが、仕事ではあまり「負の感情」をハッキリ出さない方がいいと思います。
仕事をしていれば、うまくいかなくてムカつくことや、上司や部下に腹が立つこともありますよね。
でもその「負の感情」をまわりにぶつけても、職場の雰囲気が悪くなるだけで、いい解決方法にはなりません。
感情をあらわにする人には、まわりは気をつかうようになりますが、お互い本音では話せなくなり、陰口が横行します。
職場のコミュニケーションは悪くなり、その人の評価は決して良いものにはなりません。
不満や言いたいことがあれば、怒りをぶつけるのではなく、冷静に相手に伝えることが大事です。
人は感情で動きます。
いかに正しいことを言っていても、負の感情をぶつけられればいい気分はしません。
言い方次第では、自身の評価が下がることもあります。
「自分の機嫌は自分でとる」ことを身につけましょう。
私も感情的な人間なので、なかなか冷静になることはできません。
でも怒りが込み上げてきた時に自分に言い聞かせています。
「冷静に」と。
【まとめ】デキる諸先輩の仕事術はどんどん真似しよう
ということで、10箇条について自身の体験談も交えながら書きました。
かくいう私は、これらを全てマスターできているわけではありませんが、デキる諸先輩方のいいところをマネしまくって、わりと早く昇進することができました。
マネすることは悪いことではありません。
資料や文書を丸々コピーすることはNGですが、仕事に取り組む姿勢やマインドについては徹底的にマネてみることをオススメします。
もちろん、マネしたい先輩への敬意をあらわすこともお忘れなく。
「日頃から尊敬してて、その手法について私も勉強させてほしい」と言われれば、先輩も悪い気はしないはずです。
スキルアップであれば、まず「ライティングスキル」や「ロジカルシンキング」はすぐにでも身につけられ、効果が出やすいので、今すぐにでも学んでおくことをオススメします。
あなたにとって少しでも参考になったのであれば、この上ない喜びです。
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