こんにちは雪駄です。
入社して10年以上が経ちますが、今になって「それ入社した時に知りたかったなぁ」と思うことが多々あります。
それは会社や仕事の「全体像」や「目的(なんのため)」「根本(そもそも)論」などです。
仕事の全体像や目的を知れば、会社の歯車感もなくなりますし、役に立ってる実感とともに意欲も湧いてきます。
前回は「会社って何のためにあるの?」について書きました。
今回は第二弾として、経理のお仕事について書きます。
会社の中での経理部の役割や目的、どう役に立っているのかについて語らせて頂きます。
経理部のイメージ(相手(他部門)のことを理解する)
みなさんは経理と聞いてどんなイメージですか?
・電卓を叩いて何か計算している
・伝票をひたすら処理している
・細かいことについてうるさい(揚げ足取り?)
・残業少なくて楽そう
知られているのはごく一部の仕事だけ、そして割とネガティブなイメージなのがわかりました。
経理が他部門と関わるのは、旅費や立替金などの精算、いわゆる「伝票処理」が多いと思いますので、そうイメージするのも仕方がないですよね。
そして自分自身、他部門の方々とコミュニケーションをしてこなかった結果だと思うので反省しています。
他部門の仕事って知らないことが多いですよね。
「自分の仕事でいっぱいいっぱいだし、他部門なんて興味なし」
と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、相手(他部門)のことを理解していないと、
- 勝手な想像、イメージを持ったまま他部門と接してしまう
- 自部門以外が見えないことで、「他部門のことは関係ない」というセクショナリズムを生んでしまう
ということに繋がります。
会社という大きな箱の中で、それぞれの部門は「役割」が違うだけで、会社の目的(=社会の役に立つ)を達成するために同じ方向を向く「仲間」です。
仲間である以上、部署同士がお互いの「役割」を理解し尊重し合うことが「良い会社」となる条件なのではないかと思っています。
よって、他部門が何をしているのか、全体像だけでも理解しておくことが重要です。
私は経理マンなので、会社における経理のお仕事について語らせて頂きます。
※経理といっても会社によって細かい定義は違うと思います。ここでは自分の勤める会社を前提に書かせていただきます。(経理部・財務部・経営企画部など役割が分かれている会社もあり)
【経営に参画する】経理部の役割
会社における経理の役割を一言でいうと
今までの経理部門は「記録すること」だけが主な仕事で、分析・伝達するまではしていないことが多かったと思います。
しかし、記録することだけでは今後AIに取って代わられる確率がとても高いです。
会社が行なう全ての取引(売上・費用など)を金額として帳簿に記録します。
・分析
記録した取引を集計し、「会社の経営資源(人・物・金・情報など)をいかに効率よく使って最大の効果(利益)を出しているか」を測定・分析します。・伝達
集計結果と分析結果を関係者(経営者・株主・債権者など)に伝達します。
・会社の活動目的は「社会の役に立ち続ける」こと
・社会の役に立ち続けるには、その燃料となる「利益を出し続けること」が必要
・経理は「会社が利益を出し続けるための判断材料」を経営に提供し、助言する役割がある(=経営に参画する)
経理業務の3つの柱(財務会計・管理会計・税務会計)
経理業務は大きく以下の3つに分類されます。
②経営活動の合理的な運営に向けた活動・支援をする【管理会計】
③正しく税金を納める【税務会計】
①財務会計
・社外…株主、一般投資家、債権者など
・社内…経営陣、管理職など
・取引を記録する(帳簿をつける=簿記)⇨伝票処理など
・取引について問題がないか精査する(伝票や売上データに誤りがないか確認する)
・月次・四半期・半期単位で締めて、各取引を集計する(決算処理)
・決算書(貸借対照表・損益計算書など)を作成する
・社内外への支払や入金の管理をする(現金・預金の管理)
②管理会計
・会社が利益を出し続けるために
・「経営資源(人・物・金・情報など)をいかに効率よく使って、最大の効果を出しているか」を測定・分析し
・経営者に伝達・助言する
・予算策定…年間の売上や費用の計画を策定する(部門毎や商品毎)
・実績管理…予算に対しての進捗状況を開示し、改善に向けた助言をする
・実績予想…決算前に決算数値を予想する
・原価管理…製品や工事毎の発生費用(原価といいます)が適切かどうか、予算と実績に大きな乖離はないか等を確認する
③税務会計
会社も個人と同様に、様々な税金を払う義務があります。
正しい会計処理をして、正しい金額の税金をきちんと支払うことで、社会の一員としての義務を果たすことになります。
税務会計は、税法などの「ルール」に基づいて納めるべき税額を計算し、キチンと納付するお仕事です。
・会社の「もうけ」に対してかかる「法人税」「住民税」「事業税」
・消費活動に対してかかる「消費税」
・会社の保有する土地や建物や設備などにかかる「固定資産税」
・契約書や領収書などにかかる「印紙税」
①で書いた財務会計でも「正しい決算報告をするために、キマリに基づいて適切な処理をすること」が求められましたが、税務会計も同じです。
誤った認識や間違いで税金を少なく納めることは許されません。
正しい税金を納めているかどうかは、定期的に税務署からチェックされます。
数年に1度、税務署が会社に来て、税務申告書に誤りがないか、税法のルール通りの処理をしているかどうか「税務調査」を行います。
ここで誤った記載や処理が見つかると、追徴課税や違反金を取られることもあります。
重大な違反があると会社としてのイメージも悪くなります。
よって、経理が伝票一つで細かくうるさく言うのも、これらのリスクを避ける理由からなのです。
④その他
上記3つが大きな柱ですが、その他にも以下のことをやっています。
・経理教育
他部門の方向けに、経理についての知識を付与する「経理研修」の講師をしています。
利益計算の仕組みや決算書の見方、キャッシュフローの仕組みなど、受講者のレベルに合わせて必要なことを伝える場としています。
・監査の窓口
公認会計士による外部監査や、社内監査部による内部監査など、各種監査の取りまとめ部門として、事前準備や指摘事項に対する改善策の取りまとめなどをしています。
経理マンとしての4つの心得
ここまでは経理のお仕事について書きましたが、最後に自分が経理マンとして心がけないといけないことを書いて終わりたいと思います。
心得① 「お金のプロ(専門家)」として仕事をする
豊富な会計知識・法律知識などを武器に「お金のプロ」として経営の参謀役、他部門のサポート役を引き受けることです。
そのためには、日々勉強し知識をつける必要があります。
法律や会計制度は変わりますし、キャッチアップしていかないといけません。
他部門の悩みや課題に専門家として応えていくことで「役に立ち」、経理マンとしての信頼を築いていけるのではないかと考えております。
他部門からの信頼を蓄積していき、馴れ合いではなく「信頼関係」で仕事をすることができれば、とてもやりがいがあるものとなります。
心得② 他部門とコミュニケーションをとる
取引は営業や生産部門などの現場から発生しています。
経理には「数字」として取引の情報が上がってきますが、実際にどんなことが起きているのかは発生した現場にしかわかりません。
何か問題が起きた時に、数字だけでは判断できないこともあります。
よって実際に起きている事象の背景について知るためにも、現場とのコミュニケーションは大切にする必要があると思います。
心得③ コンプライアンス意識の徹底
コンプライアンス(倫理・遵法)は、企業や個人が守るべきルールです。
法律などの社会のルールに違反してしまうと、社会生活が送れなくなってしまいます。
経理部門は「会社の全ての取引を知ることができる最後の砦」なので、「不正は絶対に許さない!不幸な社員をつくらない!」という意識を持って、会社や従業員が不正を起こさないように牽制機能を発揮することが求められます。
心得④「時間」を意識して行動する
会社は限りある「経営資源」を使って利益を生み出しています。
ここでの経営資源には、人・物・金などの他に「時間」も含まれます。
会社が利益を出すには、「売上を上げる」か「費用(コスト)を下げる」しかありません。
経理は直接に売上を生み出す部門ではありません。
売上を生み出さないので、コストを下げるしか利益に貢献する方法はないのです。
よって経理は「いかに低コストで最大の成果を出すか(=高い生産性)」が求められます。
具体的には「短い時間で価値の高い(役に立つ)アウトプットを出すこと」です。
仕事のやり方は常に改善して残業を減らし、空いた時間で価値の高いものを生み出す、といったサイクルを回していかなければなりません。
常に時間を意識して、ダラダラと残業するのではなく、限られた時間を有効に使いたいと考えています。
まとめ
経理のお仕事について書かせていただきました。
全体像が少しイメージできたでしょうか?
仕事の範囲は会社によって様々かと思いますが、結構広いことがわかって頂けたかと思います。
今は他部門向けの研修に力を入れており、お金に関する知識を面白く伝えることで、より多くの人のフィナンシャルリテラシーを高めたいと考えております。
良いネタやこんなことが知りたいということがあれば、ぜひ教えてください。
読んでいただき、ありがとうございました。
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